つくるくん

2014年07月09日 06:18

村上春樹の『色彩をもたない~』をたまたま図書館で見つけたので借りて読んだ。

 

さらっと読めた。読ませる力が半端じゃない。比喩が秀逸で、「これしかない」という表現で物事を描写しているのは流石である。『1Q84』よりも力がぬけ、こじんまりした作風になっていると感じた。シロを殺した犯人や最後の結末を読者の想像に委ねているのがまたニクいところである。

 

村上作品を読んでいつも目につくのは、「こんな会話、現実社会じゃありえないだろ!」とツッコミを入れたくなるような、知的で不自然なセリフ回し。あの「村上節」はこの作品でも健在であった。逆に安心した。

 

作品のテーマとか意味については色々な解釈ができるのだろうが、純粋にエンターテイメントとして楽しむのが「粋」なんじゃないかと思う。

 

安倍