ぼくのZeppelin

2014年08月28日 04:55

Led Zeppelinを初めて聴いたのは中学生の頃だった。俺はパンクに目覚め、オフスプリング、ペニーワイズ、ディセンデンツ、NOFX、ランシド、バッドレリジョン、プリ―といったパンク・オー・ラマに収録されているバンドを夢中でフォローしていた。とにかく早く激しい音楽じゃなきゃだめだと思っていた。パンクかビジュアル系の音楽しか聴かなかった。

その頃にツタヤで「名盤」と書かれているCDを見つけた。それがLed ZeppelinのⅡだった。とりあえず名前だけ知っていたので、どんだけ凄いのか借りてみようと思い、MDに録音して聴きだした。

初めて聴いた感想は、「何だこれ?クソじゃん!」だった。ギターはペケペケだし、ドラムはもっさりしてるし、そしてこの甲高くて気持ち悪いボーカルはなんだ?何よりリズムが「ツタツタ」じゃないし、全然のれないじゃん。この得体のしれない音楽、みんな凄いって言ってるみたいだけど、何が凄いのかよく分からん・・・・それが感想だった。今考えると、俺は何も分かっていなかった。タイムマシンがあったら、過去の自分を殴ってやりたい。

しばらく聴いていなかったのだが、色々な音楽を聞きだした大学時代に聴き直してみると「これはヤベエ・・・」と思い、即刻Led Zeppelinのアルバムを全て買った。それ以来、自分の中でZepは理想のバンドサウンドである。Deep Purpleよりも断然Zepが好きである。Zepはロックの可能性を極限まで押し広げたと思う。全てのロックがZepのフォローであると言っても過言ではないだろう。様々な音楽性を取り入れ、それでいて全てがZepのサウンドである。Zepの音楽には限りない自由を感じる。

Zepサウンドの肝はなんといってもボンゾのドラムだろう。一瞬でそれと分かる超パワープレイ。強烈なバスドラと「バシッ」というようなチューニングが低いスネア、そして柔らかく広がるシンバルの音。予想外のところでぶち込んでくるあのフィル。少しモタる野性的なドラミングはアドレナリンを誘発する。それにジミーペイジの変幻自在のギター、ジョンジ―の正確なベース、そしてロバートプラントの狂気をはらんだボーカルがのる。まさにバンドのケミストリーを全曲から感じ取ることができる。

Led ZeppelinⅡは、恐ろしいほどの名盤である。ツタヤは正しかった。聴けば聴くほどヤバさが増していく。3曲目のThe Lemon Songなんて激ヤバ。のっけのギターリフでやられる。そして中盤の踊るベースラインにとどめを刺される。そのほかも捨て曲は一切ない。やはりZeppelinはロックバンドの頂点といっても過言ではないだろう。あの4人の天才が集ったのは奇跡だった。

 

安倍