Time & Money

2013年07月13日 17:55

自分の音楽をどれだけ高められるかというのは、音楽に対してどれくらい時間とお金を費やしたかで決まると思う。どのくらいの時間、音楽のことを考え、練習しているか。どのくらい音楽活動にお金をかけるか。だからアマチュアのミュージシャンがプロに勝とうってのはなかなか難しい。プロのミュージシャンは四六時中音楽をやり、レコーディングからプロモーションまで巨額のお金をつぎ込んでいる。じゃあうちらみたいなアマチュアがどこで勝負するのか?それは、心意気しかないと思う。限られた音楽に投資できる時間を、できるだけ濃密なものにする。時間的制約と経済的制約をプラスに働かせる。アマチュアだけど、志は高く持っていたい。

結局は神様に与えられた時間をどう使うかだ。ジミヘンは、自分の時間を全て音楽に捧げたんだと思う。インタビューで、彼はステージ上でプレイしている時、completely naturalな状態であると言っている。つまり、ジミヘン=音楽、なわけだ。彼がエクスペリエンスを結成してから死ぬまでの4年間、人生の全てを音楽に捧げた。音楽にとり憑かれた、という表現のほうが適切かも知れない。時代がジミヘンを要求したのだ。

俺は仕事をしながら細々と音楽をやっている。音楽にかけられる時間は限られている。しかし現在、少ないながらうちらの音楽を聴いてくれる人がいる。吐き出す場を提供してもらっている。俺が一番熱くなれるのは、音楽をしている時だ。ギターを鳴らし、叫び、音の洪水のなかで「無」になる瞬間。その瞬間を味わうために音楽をやっているのだと思う。考えてみれば、エゴイスティックな理由である。完全な快楽主義である。自分の快楽の追及が、聴いてくれる人が求めているものと少しでも共鳴すれば、それほど嬉しいことはない。

俺にとって音楽は全てではない。そこまでの勇気はない。しかし音楽は俺の人生の基礎になっている気がする。俺は音楽を辞められないだろう。何らかの事情でバンドができなくなったら、一人でもやるだろう。例えば何らかの理由で俺が持っている楽器が全部なくなり、手足がもぎ取られ、声も出なくなったとしたら、俺は頭の中で曲を作り続けるだろう。たとえ外に発表しないとしても。音楽はどんな状況でも、俺に限りない自由を与えてくれる。

俺は今与えられた状況の中で、やりたいこと、できることをやる。それだけである。

 

安倍